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山あいの集落にひっそりと佇む、築百年を超える古民家。ひとりの女性がその三間で小さな店を開いたことから、物語は始まった。
昔ながらの季節の室礼と気に入りのアートピースで隅々までととのえた店内。季節とともにめぐる食材の旬をつかまえて、これまでの人生で培ったものを惜しみなく注いだ渾身の一皿。女主人の美意識と感性がいつしか評判を呼び、古民家は客足の絶えない名店へと姿を変えた。
ひとりの女性から女主人となった40年間の食と人生の歩みを、自らの言葉で静かに綴った随想集である。
[収録エピソード(一部抜粋)]
悩み抜いて導き出したレシピで料理をつくり、惚れ込んだ作家のうつわに盛る。一期一会の思いでお客さまにお出しする。ひと組ずつお見送りを終えたそのとき、言いようのない悦びを感じる。店を始めなければ知り得なかった感情だ。わたしは今、人生の春を謳歌している。−春「大地、蠢く。」
食後に日本大使が口笛で奏でたヴィヴァルディの乾杯の歌は、今も耳に残る。華やかな旋律に聞き惚れるわたしに、大使夫人が「あれはご機嫌のしるし」と耳打ちしてくださったことも忘れられない。異国の晩餐に早春の風が吹いた瞬間だった。−お雛様「賑々しいお雛様料理へ」
かつて、打ち水は母の役割だった。きちんとお化粧をして髪をととのえ、大好きなイッセイ ミヤケの服に身をつつみ、ご予約の三十分前には背筋を伸ばして玄関先に立つ。お客さまがお越しになるまで何度も打ち水を繰り返す後ろ姿は、なんだかかわいらしかった。−梅雨「幕が上がるのを待つ女優のように」
[収録レシピ(一部抜粋)]
大根とからすみの和え物
蕗のとうと浅利のマリネ
芹のブルーチーズソースかけ
梅の栗鋳込み
鶯豆のテリーヌ
枇杷氷砂糖
りんごのスープ
など、季節の移ろいを映した全49品
制作:2025年
サイズ:w180×h240mm
カラー:4色
ページ:212ページ
製本:上製本
著者:佐野 純子(うつわ料理 さ乃)
文章:三星 舞
写真:白木 世志一
題字:内田 鋼一
装丁・デザイン:apuaroot
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